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「インタビュー」と聞くと、取材相手と会話をしている様子がまず思い浮かぶ方が多いと思いますが、実はインタビューそのものと同じくらい重要なのが、事前準備です。
しっかり準備できていれば、インタビューはスムーズに進みます。しかし、準備が不十分だと、聞くべきことが聞けなかったり、目的からずれた話になったりしてしまいます。
良い記事を書くためには、入念な準備が不可欠です。
今回は、インタビュー取材の事前準備を5つのステップに分けて紹介します。
この記事を読むと
・インタビュー取材の準備の方法
・取材依頼書の書き方
・インタビュー前日の準備
が分かります。
①記事の目的を確認する
まず、インタビュー記事の目的を確認しましょう。
例えば、同じ社長にインタビューするにしても
・新規事業の紹介を目的とした記事
・社長の生き方に焦点を当てた記事
では伝えるべきことは大きく異なりますよね。
事前に掲載媒体の担当者にきちんと確認しておきましょう。
②取材依頼をする
取材依頼は、掲載媒体の担当者が行う場合とライターが行う場合があります。
ライター側で依頼する場合は、自分でメールや電話でコンタクトを取り、取材依頼書を送付しましょう。
取材依頼書の内容
取材依頼書に書くべき内容は、以下のとおりです。
取材 | 依頼書に書く内容備考 |
掲載媒体 | ウェブサイトがあればURLを記載 |
企画概要 | 企画の背景や目的など |
質問内容 | 箇条書きで簡単に |
取材希望日時 | 複数案を提示。所要時間も記載 |
取材場所 | オフィスに訪問、オンライン、電話など |
写真撮影 | 写真を撮る場合は、撮影の内容を記載 |
取材メンバー | どのようなメンバーで取材するのか記載 |
掲載日 | 依頼時に決まっていなければ取材当日に連絡 |
謝礼 | 謝礼金を支払う場合は金額を記載 |
取材依頼書のひな型
A4用紙1枚に、以下のようにまとめます。
○○会社○○部
(役職名・名前)様
2023年10月10日
○○会社 ○○編集部
(自分の名前)
取材依頼書
拝啓 貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
この度、弊社運営のウェブサイト「△△」のインタビューにて、○○様に取材をお願いしたく、取材依頼書をお送りいたします。ご多忙のところ恐縮ですが、ご検討のほど何卒よろしくお願いいたします。
敬具
■掲載媒体
弊社ウェブサイト「△△」(URL~)
■企画概要
「△△」は、30代~40代のビジネスパーソンを応援するウェブサイトです。若手経営者に仕事にかける想いを語っていただく「○○企画」にて、インタビューさせていただきます。
■主な質問内容
(1)○○業界に入ったきっかけ
(2)現在の仕事内容と仕事にかける想い
(3)将来の展望
■取材希望日時
○月上旬の○時~○時(所要時間は1時間程度)
■取材場所
御社のオフィスにお伺いします。難しい場合は、弊社で場所を手配いたします。
■写真撮影
取材中の様子を撮影させていただきます。
■取材メンバー
編集部1名、ライター1名、カメラマン1名
■掲載日
○月○日を予定
■謝礼
大変恐縮ですが、謝礼のご用意はございません。インタビュー記事内に御社のウェブサイトを掲載させていただきます。
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③リサーチする
取材前日までに、取材相手についてリサーチをします。
情報収集源
情報収集源になるのは、主に以下のようなものです。
・公式サイト、ブログ、SNS
・会社案内、プレスリリース
・過去のインタビュー記事
・書籍
リサーチすべき項目
どのような情報を集めるかは、取材の目的や相手によって異なります。
企業の担当者に、新商品について聞く場合
・企業情報(会社概要、事業内容)
・担当者の情報(部署、仕事内容)
・新商品の情報
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開発担当か広報担当かなど、相手の役割によって聞くべき内容が変わりますので、担当者の情報も確認します。
医師に病気の治療法について聞く場合
・病院、クリニックの情報(診療方針、診療内容)
・医師の情報(診療科・部門、役職、診療内容)
・病気の治療法
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同じ肺がん治療でも、内科の医師と外科の医師では治療内容が異なります。どのような診療をしているかも押えておきましょう。
○○賞受賞者に、活動について聞く場合
・受賞者の情報(経歴、活動歴、活動内容)
・○○賞の情報(賞の概要)
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どのような人が受賞できるのか、どのような活動をしているのかなどを調べましょう。
インタビューでは、相手の緊張をほどいたり、場を和ませたりする雑談も大切です。リサーチする時に、雑談に使えそうな話題があったらメモしておきましょう。
雑談の重要性や雑談に使える話題については、「インタビュー時の雑談のコツ5選 盛り上がる話題10選も」で詳しく紹介しています。
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④ヒアリングメモを作る
情報収集ができたら、質問を整理しながら、自分用のヒアリングメモを作ります。
ヒアリングメモは、想定するインタビューの流れに沿って質問をまとめたメモです。
インタビューの時は、自分の手元に置いて話を進め、ポイントやキーワードを書き込んでいきます。
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わたしは、A4コピー用紙に手書きでまとめています。
ヒアリングメモを作る手順は、以下のとおりです。
質問をピックアップする
収集した情報の中から、記事の目的に合わせて質問をピックアップします。
インタビュー時間には限りがあり、用意した質問を全て聞けるとは限りません。
・絶対に聞かなければならないこと
・時間があったら聞くこと
に分けて、優先順位を決めておきましょう。
質問は、内容ごとにグループ分けしておきます。
1時間のインタビューであれば、5~6つほどのグループが目安です。
質問を組み立てる
次に、インタビューの流れや記事の構成を想定して、質問を組み立てていきます。
例えば、企業の担当者に、新商品について聞く場合は
1)担当者の部署や仕事内容の確認
2)新商品の概要・開発過程
3)新商品に込めた思い
4)新商品の成果・反応
5)今後の展開
といった感じです。
インタビューの流れをイメージする
質問は、インタビューの流れをイメージしながら組み立てていきましょう。
・この質問は、こんなふうに聞いてみよう。
・こんな答えが返ってきたら、次はこの質問をしてみよう。
・もし話が広がらなかったら、違う角度から聞いてみよう。
このようなことをイメージしながらまとめていくと、当日も話しやすいです。
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実際のインタビューでは、想定と異なる展開になることがよくあります。どのような展開になっても対応できるように、質問の内容や流れを固めすぎないようしましょう。
⑤インタビュー前日の確認
インタビュー前日には、以下の点を確認しましょう。
持ち物を確認する
必要な物を忘れると、スムーズに進まなかったり、慌ててしまったりしますので、きちんと確認しましょう。
持ち物 | 備考 |
名刺 | 多めに用意しておく |
筆記用具、メモ帳 | |
ヒアリングメモ | 内容を確認しておく |
資料 | 会社案内、プレスリリースなど |
掲載見本 | 掲載誌、掲載するサイトのコピーなど |
ICレコーダー(スマートフォンでもOK) | 充電しておく |
カメラ | 撮影を行う時はカメラも用意。充電も忘れずに。 |
名刺はフリーライターにとっても必需品です。名刺の作り方ついては、こちらの記事を参考にしてください。
![](https://myworkstyle.blog/wp-content/uploads/businesscard-making-eyecatch.jpg)
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私はICレコーダーは下記のタイプを使っています。シンプルで使いやすいですよ。
服装を確認する
取材相手に失礼のないように、身だしなみを整えることも大切です。
・服装を決めておく/出掛ける前に慌てないように、着ていく服を決めておきましょう。
・服や靴のケア/シャツはアイロンをかけ、靴は磨いておきましょう。
服装は、スーツ、または、シャツ&ジャケットが基本ですが、アパレルやエンタメなど業界によってはカジュアルなスタイルでも問題ないことが多いです。
取材先の業種や会社の雰囲気に合わせるといいでしょう。
時間を確認する
取材先に10分前には着くように計画を立てましょう。
初めての場所は、余裕を持ってスケジュールを組むことが大切です。
通勤時間帯に移動する時や、台風・大雪など交通障害が予想される時は、早めに出発しましょう。
場所を確認する
取材場所もきちんと確認しておきます。
電車、バスの場合は、路線、降りる駅、降車後のルートもチェックしましょう。
大規模な会社や施設の場合、建物や入り口が複数あることが多いため、到着したらどこに行けばいいかも確認しておくといいです。
体調を整える
インタビューに向けて、体調を整えておくことも大切です。
前日は、暴飲暴食やお酒の飲み過ぎ控え、睡眠を十分に取って万全の体調で臨みましょう。
インタビューは事前準備が成功のカギ
わたしの経験から、確実に準備できていると自信を持って話ができるけれど、準備できていないと用意してきた質問を投げかけるだけで終わってしまって、いいインタビューはできません。
もちろん、良い記事も書けません。
インタビューは、事前準備が成功のカギです。
十分に準備をしてしっかりと取材相手の話に耳を傾けて、良い記事に仕上げましょう。