
フリーライターの仕事道具の一つに「名刺」があります。
名刺は「あいさつツール」としてだけでなく「営業ツール」としての役割もあり、大切なアイテムです。
会社員ならば会社が作ってもらえるのに対して、フリーランスになると自分で用意しなければなりません。

名刺の準備はなかなか大変!
そこで今回は
- フリーライターの名刺の必要性
- 名刺に記載すべき項目
- 名刺作成のポイント
- 名刺の作成方法
など「フリーライターの名刺の作り方」について紹介します。


フリーライターに名刺は必要?
まず、フリーライターの名刺の必要性についてお伝えします。


これから開業する方やフリーライターになりたての方は「名刺は必要なのだろうか」と思っている人もいるかもしれません。
結論としては、仕事のやり方によって必要な人と不要な人がいます。
必要な人 | 直接人に会って打ち合わせ・取材・インタビューをする人 |
不要な人 | 直接人に会って打ち合わせ・取材・インタビューをしない人 |
取引先や取材相手に直接対面して仕事をする機会がなければ、名刺は必要ありません。



名刺がいらない場合もあり!
ただ、仕事の幅を広げたいのであれば、作っておくことをおすすめします。
突然声がかかって、打ち合わせや取材など名刺を渡す機会が訪れるかもしれないからです。
知り合いや仕事仲間を通じて、仕事が舞い込むことはよくあります。
ライター初心者の方も、開業準備としてぜひ用意しておきましょう。
名刺に記載すべき10の項目


フリーライターが名刺に記載すべき項目としては、以下の10点が挙げられます。
①職種・肩書き
②名前
③屋号
④住所
⑤メールアドレス、電話番号
⑥SNS
⑦ウェブサイト・ブログ
⑧業務内容
⑨資格
⑩顔写真、似顔絵、ロゴマーク
具体的にどのようなことを記載すればいいのか解説していきます。
①職種・肩書き
職種・肩書きは、フリーライターの場合
- ライター
- フリーライター
- フリーランスライター
と書くのが一般的です。
ただ、これだとざっくりしていて仕事内容が伝わりづらいので、以下のように仕事の内容や執筆ジャンル、強みなどを加えることをおすすめします。
仕事の内容 | コピーライター、取材・インタビューライター、WEBライター |
執筆ジャンル | 旅行ライター、医療ライター、金融ライター、ITライター、フードライター |
強み | 取材が得意なライター、医療記事専門ライター |



分かりやすい肩書きがおすすめ!
②名前
名前は最も大切な部分です。
- サイズを大きくする
- フォントを変える
などして、いちばん目立つようにしましょう。
読みにくい名前の場合は、ふりがなを振ったり、ローマ字を併記したりするのがおすすめです。



パッと目に入るようにしよう!
③屋号
屋号がある場合は書いておいたほうが信用度が上がりますので、ぜひ書いておきましょう。
④住所
住所は、載せるかどうか迷う人もいるのではないでしょうか。
記載したほうが信用度は高くなりますが、無理に記載しなくても大丈夫です。
近年はオンラインでのやりとりが中心となり、住所が必要な場面は少なくなっているからです。



女性やひとり暮らしの人は要検討!
住所の表記方法としては、以下4つがあります。
A | 全て記載する |
---|---|
B | 町名までにして、番地やアパート・マンション名は省略する |
C | 一切記載しない |
D | コワーキングスペースやバーチャルオフィスの住所を記載する |
A、B、C、Dどれか1つだけでなく、複数パターン作って使い分ける方法もおすすめです。
例えば
AとBの名刺を作り、Aは通常の仕事の場面で、Bはセミナーや勉強会など不特定多数の人が集まる場面で使う
これなら住所を伝える人を限定できます。
何パターン作るか、どのように使うかは、仕事の内容や状況に合わせて考えてみてください。
名刺に住所を記載したくない場合は、バーチャルオフィスを借りるのも一つの方法です。
GMOオフィスサポート
⑤メールアドレス/電話番号
仕事用に使っていて連絡が取りやすいメールアドレス、電話番号を載せましょう。
載せたくない場合は、住所と同じように記載しないパターンを作るのがおすすめです。
⑥SNS
仕事用のX(旧Twitter)、Facebook、Instagramがあれば、アカウントやQRコードを載せましょう。
⑦ウェブサイト、ブログ
仕事用のウェブサイトやブログがあれば、URLやQRコードを載せましょう。
自分で作成・運営しているウェブサイトやブログなら、ライティングだけでなくサイト作成やSEOの知識があることもアピールできます。
⑧業務内容
ライターと一口に言っても業務内容はさまざまです。
仕事内容を具体的に伝えておいたほうが案件獲得につながりやすくなりますので、業務内容も書いておくことをおすすめします。
業務内容の例
- 書籍、雑誌、フリーペーパーの記事執筆
- ウェブメディアの記事執筆
- SEO記事の構成・執筆
- 企業取材・インタビュー
- 医療記事の取材・ライティング



名刺は「営業ツール」にもなる!
⑨資格
資格があれば、ぜひ記載しましょう。知識や経験をアピールできます。
仕事に関わる資格はもちろん、仕事に直接関わらない趣味の資格も、書いておくと会話のきっかけになることがあります。
⑩顔写真、似顔絵、ロゴマーク
顔写真、似顔絵、ロゴマークなどがあれば、ぜひ載せておきましょう。
インパクトが強いため、印象に残り思い出してもらいやすいです。
ココナラ



自分らしさも表現しやすい!
名刺作成の4つのポイント


フリーランスは自由に名刺を作ることができますが、その分、どのようなデザインや用紙にするか迷いますよね。
ここでは、フリーライターが名刺を作る時に押さえたいポイントを4つお伝えします。
①デザイン
名刺のデザインは、大きく分けると
- 名前や仕事内容を分かりやすく伝える「シンプルな名刺」
- 個性や強みをアピールする「個性的な名刺」
に分けられます。
1枚目として作るなら言葉や文章で分かりやすく伝えるシンプルな名刺がおすすめです。
ライターらしさを出したいならば
- 本
- ペン、万年筆
- パソコン
- 原稿用紙
など、ライターをイメージするイラストや写真を入れるのもあり。
執筆ジャンルに合わせて
- パソコン・スマホ(WEBライター、ITライター)
- スーツケース(旅行ライター)
- 食べ物(フードライター)
などを使うのもおすすめです。
リキッドエナジーインクは、デザイン名刺の作成を中心にしたデザイン事務所で、職業やジャンルに合わせたデザインを提案しています。
ライター向けのデザインも数多く用意されています。
②サイズ
名刺の一般的なサイズは「55×91mm(4号)」です。
スムーズに受け渡ししやすく、名刺入れに入れやすいため、一枚目として作るなら標準サイズがおすすめです。
個性的な名刺を作りたい場合は、小さめサイズや大きめサイズを選ぶのも一つの方法です。
3号サイズ | 49×85mm |
---|---|
欧米サイズ | 51×89mm |
4号サイズ(一般的なサイズ) | 55×91mm |
5号サイズ | 61×100mm |
一般的な4号サイズの名刺用紙


③用紙の向き
デザインをする時に同時に考えなければいけないのが、横向きにするか、縦向きにするかです。
それぞれにメリット、デメリットがありますので、記載する項目や使う場面などを考えて選びましょう。
横向き
現在の主流は横向きです。
メールアドレスやウェブサイトのURLなど英数字を記載しやすいため、業種を問わず採用されています。
テンプレートも横書きのほうが多いので、デザインが選びやすいというメリットもあります。
縦向き
縦向きは堅実なイメージがあるため、法律、医療、教育など信頼性が重視される仕事の方に好まれています。
ただし、英数字は記載しづらいため、名前と肩書きと住所のみなどシンプルな名刺に使うほうがいいでしょう。
ライターの場合、横書きでも縦書き、どちらでもOKですが
- 横書きは、英数字を含めて情報を多く入れたい人
- 縦書きは、堅い職業の方への取材やインタビューが多い人
に向いています。
④用紙
名刺作りでは、用紙選びも大切です。用紙の種類によって、見た目の印象や持った時の手触りが異なるからです。
自分の目指す名刺のイメージに合わせて選びましょう。
名刺の主な用紙には
があります。
上質紙
上質紙は、パルプ100%で作られた、コーティング加工されていない紙です。
- 自然な風合いで、文字中心のシンプルな名刺におすすめ
- 鉛筆やボールペンで書き込み可能
コート紙(光沢紙)
コート紙は、コーティング加工されていて、ツルツルと光沢がある紙です。
- 発色がいいので、写真入りや色合いをきれいに見せたい名刺におすすめ
- 鉛筆やボールペンでの書き込みは難しい
マット紙(マットコート紙)
マット紙は、つや消しのコーティング加工がなされていて、さらっとした質感の紙です。
- 光沢が抑えられていて、文字が読みやすい
- 文字も写真もきれいに表現できるため、文字中心の名刺にも写真入りの名刺にもおすすめ
この他、ケント紙、ヴァンヌーボなど多種多様な用紙があります。
手触りや色合い、厚みなど実物を確認したい場合は、用紙のサンプルを請求しましょう。
名刺作成・印刷サービスの中には無料でサンプル(見本)を送ってくれる会社があります。
例えば、名刺専門のネット印刷サイト「名刺良品」では、印刷・紙見本のサンプル請求ができます。
名刺の作り方3選


名刺の作り方は、大きく分けて以下の3つあります。
①自分でデザインして印刷も行う
②名刺作成・印刷サービスを利用する
③クラウドソーシングサイト
それぞれ価格や作成時間、手間などが異なりますので、自分に合った方法を選びましょう。
①自分でデザインして印刷も行う
Word、Excel
Word、Excelを使い慣れている方は、Word、Excelに用意されている名刺のテンプレートを利用しましょう。
自宅のプリンターで印刷すれば、用紙代のみで済みます。
ラベル屋さん
ラベル屋さんは、名刺の用紙や宛名ラベルなどのブランド「A-One(エーワン)」のラベル&カード作成ソフトです。
テンプレートをベースに情報を書き換えれば、簡単に名刺をデザインできます。
用紙は、同じ「A-One(エーワン)」の製品を使うと、便利です。
Canva
Canva(キャンバ)は、オンラインで使える無料のデザインツールです。
名刺のテンプレートを使えば、誰でもおしゃれな名刺をデザインできます。
ラベル屋さんとCanvaを使えば、自宅で簡単に名刺が作れます。
Canvaでデザインした名刺を自宅印刷する方法を詳しく紹介していますので、こちらを参考にしてください。


②名刺作成・印刷サービスを利用する
手間や時間をかけたくない場合は、名刺作成・印刷サービスを利用するのがおすすめです。
ラクスル
格安のネット印刷でおなじみの ラクスル
両面カラー100枚=499円~(税込)


画像引用:ラクスル公式サイト
パプリ
パプリはアスクルが運営するネット印刷サービスで、名刺などの印刷物のプリントを手がけています。
今使っている名刺をそのまま作れる「そのまま名刺作成サービス」もあります。
片面カラー100枚=998円(税込)~


画像引用:パプリ公式サイト
名刺通販ドットコム
名刺通販ドットコム
モノクロ片面50枚=780円~(税込)。


画像引用:名刺通販ドットコム公式サイト
ココナラ
ココナラ
デザイナーが希望に応じたオリジナルデザインの名刺を作ってくれます。
価格は出品者によって異なり、名刺作成は3,000円くらいから。印刷はほとんどが有料オプションです。


画像引用:ココナラ公式サイト
コクリ名刺
コクリ名刺
こだわりの名刺を作りたい人におすすめです。
片面カラー100部=2万1,700円~(税込)


画像引用:コクリ名刺公式サイト
③クラウドソーシングサイト
オンラインで業務を受発注できるクラウドソーシングサイトを利用するのも一つの方法です。
ランサーズ、クラウドワークス
印刷はほとんどが有料オプションです。
まとめ
今回は「フリーライターの名刺の作り方」を紹介しました。
名刺は「あいさつツール」としてだけでなく「営業ツール」としての役割もあり、フリーランスにとって大切な仕事道具の一つです。
案件を獲得して安定的に仕事を続けていくためにも、自分の業務内容や魅力を分かりやすく伝えられる名刺を作って活用しましょう。







