文章を書く時は、言葉を正しく使って、伝えたい情報を読者にきちんと届けたいですよね。
でも、語句や単語の表記が間違っていると、途端に伝わりにくい文章になってしまいます。
そうならないように助けてくれるのが『記者ハンドブック』です。
『記者ハンドブック』はもともと新聞や通信、放送の記者向けに作られましたが、さまざまな文章作成に活用でき、ライターにもおすすめの一冊です。
私も長年使っていて、執筆する時は必ず手元に置いています!
今回は『記者ハンドブック』の概要や基本的な使い方についてお伝えします。
『記者ハンドブック』の具体的な使い方については、こちらの記事で紹介しています。あわせて参考にしてください。
\ライターなら持っておくと便利な一冊!/
『記者ハンドブック』は、どんな本?
『記者ハンドブック』は、一言でいうと「言葉の表記方法のルールブック」です。
分かりやすい文章をできるだけ統一した基準で書くために、表記についてルールや使い方が掲載されています。
例えば、以下のような内容です。
・送り仮名の付け方
・用字用語集
・数字の書き方
・病名・身体諸器官の表記例
・外来語・カタカナ語用例集
このうちメインとなるのは「用字用語集」です。
用字用語集では、辞書のようにあいうえお順に語句や単語の表記方法がまとめられています。
目的の言葉を調べることで
・平仮名で書くべき? 漢字で書くべき?
・同音異義語がたくさんあるけれどどれを使ったらいい?
といったことが分かるようになっています。
『記者ハンドブック』の使い方
では、『記者ハンドブック』は、具体的にどのように使ったらいいのでしょうか。
「経験をいかす」などの「いかす」を例に見てみましょう。
「経験をいかす」と書きたい時、「いかす」か「生かす」か「活かす」か、迷いませんか。
そこで『記者ハンドブック』の用字用語集で「いかす」を引いてみると、以下のように書かれています。
用字用語集の見方を説明しておくと
見出し語の下の丸かっこ内の表記は原則として使わず、言い換え、書き換えの例を矢印「→」の下に示した。
引用元/『記者ハンドブック 第14版』
と書いてあります。(『記者ハンドブック』では、縦書きです)
つまり、「→」の下に示した言葉を使うということになります。
「いかす」の場合は、丸かっこ内の「活かす」は使わず、「→」の下に示してある「生かす」を使えばいいということが分かります。
ここで「活かす」はダメなの? と疑問に思われた方もいるかもしれません。
『記者ハンドブック』は、常用漢字表をベースにまとめられています。
常用漢字表には、音読みの「活(かつ)」はありますが、訓読みの「活(い)かす」はありません。
そのため「生かす」を使うことになるのです。
『記者ハンドブック』の具体的な使い方については、こちらの記事で紹介しています。あわせて参考にしてください。
『記者ハンドブック』をライターにすすめする理由
『記者ハンドブック』をライターにすすめするのは、表記の確認のためだけでなく、もう一つ理由があります。
それは、仕事を獲得したり、さまざまな案件に対応したりするためにも役立つからです。
ライターが受ける案件は、
・発注元の会社の基準
・記事を掲載するウェブサイトの基準
など、表記の基準が決まっていることが多いのですが、その中に「『記者ハンドブック』に従うように」と指示される案件もあります。
したがって『記者ハンドブック』を持っていれば、より多くの仕事を獲得できるということになります。
私の場合『記者ハンドブック』に従うよう指示されることは多くないですが、指示がある時は従って執筆しています。
言葉の表記に迷った時には『記者ハンドブック』を開こう
今回は『記者ハンドブック』の概要や基本的な使い方についてお伝えしました。
・漢字で書くべき? 平仮名で書くべき?
・どの漢字を使うべき?
・漢数字で書くべき? 洋数字で書くべき?
など、言葉の表記に迷った時はぜひ『記者ハンドブック』を開いてみてください。
伝えたいことがきちんと伝わるようサポートしてくれるはずです。
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